港の香りに誘われて、澳にある門をくぐる2 |
とりあえず40Fの展望フロアで、結構物価が高い中、意外と高額なペットボトル・コーヒーを嗜んで時間をつぶした後、部屋に戻る。
カーテンを開けると、前面に広がる古マンション群の全貌が明らかとなる。
誰があげたのだろうか、正面の低いビルの屋上にパンが置かれ、ハトが群れを成してほお張っている――ここのハトは良く肥えている。
ミラーガラスのこちら側は何も見えていないが、カーテンを閉める習慣のない(このエリアの層だけなのかどうか?)地元の人々の生活習慣がこちら側からは垣間見える。
洗濯を干す人、朝飯を作る人、いろいろな窓でいろいろな人が日々習慣付いた作業をしている。
のぞき見趣味で下世話な話だが、カルチャーの違う人々の生活習慣は見ていて面白く飽きない。
すぐに見飽きる遠景より、数々の引き出しがあるこちらの方が興味をそそられる。
朝飯を摂るため、サムサチョイ駅周辺の散策に向かう。
店はそこそこ開いているのだが、中華料理独特のケモノ臭があまり受け付けず、選択に困る。
何となく良さそうな2Fの澳門喫茶に入るも、何でもないミートソースバーガーは別として、オートミールは口に合わない。
気を取り直して店外販売のエッグタルトを口にするが、一口食べたところで手のバランスを崩して落下・・・意外とイケてたのにな〜
女人街へ向かうため、オクトパスカードを購入し、初のメトロで旺角へ。
駅前のショッピングセンターに今回目的の一つ「Clarks」があり、開店前に少し時間をつぶして入店するが、日本の通信販売で買った方が安いことが分かり、行く前は3足ぐらい購入しようと意気込んでいた希望を失ってしまった。前英国領だったので、比較的購入しやすくて安価に買えると思っていたが、甘い考えだった様だ。
日曜の正午過ぎ、女人街はまだ開店をし始めている際中、半数ぐらいの店が開いている程度。
スウェットを持ってこなかったツレの代替品を物色。
奇抜なものを見つけて触っていたら、店員が「170$」「高いからいらない」と言ったのだが、ディスカウントというので、「\1,000-」を提示したら、向こう激怒、だからいらないと言ったのに・・・
しばらくは変な商品を見て楽しんでいたのだが、何だかどの店を見ても同じようなものが売っているので、道半分で正直飽きた。
店ごとの個性が全くない。
「あぁ〜ロンドンのカムデンロックだな・・・」
毛色が全く違う様で実は同じような匂いがする残念な場所。
観光地化して画一化された見せかけだけ雑多な場所。
2階建てバスでサムサチョイに戻り、雑居ビル「重慶大厦」内を散策。
安宿として有名な様で、アラビア系を中心に雑多な人種が入り混じり、そこかしこに店を出している。
危険察知能力は必要だが、変な場所の変な個性があるところを見るのはとても面白い。
ホテル近く、朝から気になっていたのだが、長蛇の列がどんどん繋がっている。
整理券をもらってビル内に入っていくので、様子見で中に入ってみると、クッキーの有名店の様だった。
小籠包が美味しいという店へ遅いランチへと向かう。
入店してみると日本にも支店がある台湾系の店だったが、味は悪くない。
少し麺がノビ気味だったが、汁なし担担麺はまた食べたい。
香港へ来れば誰もが訪れるであろうビクトリアピークへと向かう。
港から数分程度のスターフェリーに乗り、海を渡ってバス停を探す。
そっち方面へは15Bと15があり、どちらに乗ればビクトリアトラムの搭乗口に着くのか良く分からなかったが、たまたま来た15の方に乗ってみる。
Google Mapを覗いていたら搭乗口からかけ離れた方向へ山をドンドン登っていく。
2階建てバスが荒い運転で狭い道を突き進むと2、30分ぐらいで頂上まで到着。
「トラムに乗れなかったが、こっちの方が安いし、空いて座れるから楽だな〜」日没までしばらく時間があったので、景観を見たり、お土産屋やスタバで時間を潰した後
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遂に来ました!!百万ドルの夜景!!
なのだが・・・
意外と感動がない・・・
確かに綺麗な事はキレイなのだが、本音を言うと感動がない。
「ウゥア〜」っという印象を受けない。
ツレもあまり感じていないようだった。
冷静に考えてみたのだが、上には高いのだが、横が狭く、スケールをあまり感じない。
去年のポンヂアスーカルの270°視界の夜景の印象があまりにも衝撃だったため、正直迫力に乏しく感じた。
横に大きく広がっている景観の方が印象が強いのだろう。
「シンフォニーオブライツ」に間に合わせるため、混雑するピークトラムを避け、すぐ乗れた15のバスで下山。
「シンフォニーオブライツ」はタイミング良く帰りの船中から、そして降りた先のトイレ脇から鑑賞、鑑賞客がウジャウジャいるとは考えていなかったので、ホテル戻りの道筋は蒸し暑さも加わり、ウザかった。
近所の超高額英国パブでチェルシーの優勝を見届けてホテルに戻ってみると、この日の歩行距離は18キロ弱。
部屋のライトを消して、通称ハトおじさんの洗濯姿をメインに暫しのんびりと夜更けの地元民観察に浸り想像力を働かせた。